子育て支援が整備され、子どもの人権が守られる社会へ

2018年に報道された、東京医科大学の入学試験において女性と多浪の男性を一律減点し「男性を優遇していた」事件は、女性差別が日本社会に深く浸透している現実を衝撃的に明らかにしました。女性差別が厳しい社会では、「女性の役割」とされる領域の行政サービス、制度政策は進まず、女性の負担は軽減されません。

簡単に言い換えれば、「ワンオペ家事」は、女性差別がある限り解消されない、ということです。出産、子育ては社会全体で支援すべきものです。例えば、ベビーカーを邪魔にするような風潮は断固として変えなければなりません。

加えて現在、子育てに関わる世代(20〜40代)は、日本で初めて、「非正規労働者」が多数を占めた世代です。社会的排除、低収入・生活困窮に直面した世代であり、「家庭の養育力が低下しやすい」層であるということができます。社会を持続可能にしていくためには、この親世代の子育て支援を拡充し、子どもの貧困の解消につなげていく必要があります。

女性差別が蔓延し、女性の人権意識が低い国は、子どもたちの人権意識についても同様である、と言われています。全国の児童相談所が2017年度に児童虐待の相談や通告を受けて対応した件数が13万3778件(2018年月段階速報値)に上り、過去最多の件数となりました。「面前DV」が心理的虐待として認知され通告が増え続けているのですが、このように深刻な状況にありながら、子どもたち自身をエンパワーする政策はとても少ない現状です。子ども達を暴力から守るためには、まず、被害を受けたら自覚できるように子どもたちの自尊感情をはぐくみ、大人に「発信」できる力をつけてもらわなければなりません。そして、虐待やDV家庭で傷ついた子どもたちが、心のケアを含めたライフステージに応じた支援を得られるように法制度整備が求められています。