佐藤かおり 「国政にチャレンジする理由」

佐藤かおり「国政にチャレンジする理由」

2016年6月13日(月)キックオフ集会

文京シビックセンター

女性と人権ネットワーク共同代表の佐藤かおりでございます。

私は今、話にあったように、十数年前にセクハラ被害に遭って、病院で見た一枚の相談カードからネットワークの女性の支援団体に繋がったのがきっかけで、被害を乗り越えて支援者になりました。

今はDVや、性暴力被害者の支援活動、労働の現場でのセクハラ被害者の支援、東日本大震災以降は、被災地で被災者支援に関わっています。

私が今回、国政にチャレンジをする、そのきっかけとなったのが、やはり私自身の被害です。

少しだけお時間をいただいて、当時のお話をさせていただきます。

私はセクハラ被害に遭って、私自身の生活が180度変わりました。
当時私は、派遣社員として働いていました。
同じ仕事をしていても、正社員の方が派遣の私よりずっと賃金が高くて正社員の仕事をサポートしているにも関わらず、正社員の方が私の賃金よりずっとずっと高くて、けれども生活をしなければならなくて、不満を抱きながらも折り合いをつけて私は生きていました。

その中で私は、上司からのセクハラ被害に遭いました。

仕事を辞めたくなくて、それでも何とか折り合いをつけて、気にしないようにしよう、なかったことにしようと必死に働いていました。

気がつけば、被害は約3年続いていたんです。
最終的には病気になって、働くことが出来なくなりました。

そして私を待ち受けていたのは、貧困です。

仕事を失って、その上に医療費もかかります。
労災も認められない。
車があったので、生活保護を受けるのも大変困難でした。
私にとって、社会保障や、労働政策は何の役にも立ちませんでした。
不満を抱きながらも、仕事上では、研修のインストラクターをする。
そういう風にキャリアを積んでいました。

退職をしたら今度はどうなったか。

私は、社会には存在しない、社会に見放さられた透明人間になりました。
本当に疲れ果てて、ボロボロになった私を救ってくれたのは会社ではありません。
法律や制度でもなくて、女性の人権のために粘り強く運動を続けてきた女性たちでした。

彼女たちと学ぶ中で、私の困難は、私だけの個人的な問題ではなくて、社会的な問題だということを知りました。
被害を受けて、会社を辞めなければならなくて、貧困になってしまうのは絶対におかしい。

ようやく怒ることができました。

労働権を取り戻すために立ち上がろうと決意しました。
労災認定を求めて日本で初めて国を相手に裁判を起こして、12年かかって勝訴判決を勝ち取りました。

そして、私と同じようにセクハラ被害にあった女性たち。
人権活動を続けてきた女性たちと一緒に、セクハラ労災の認定基準を見直す道を切りひらくことができました。

社会から見えなくなっていた私が、私たちが、勇気を持って戦ったから、この手に社会での居場所と権利を取り戻せたのだと思っています。

私の被害から十数年経った今、社会は少しでもよくなったでしょうか。
政治は女性や、社会的少数派の課題を取り上げて来たでしょうか。

実は女性たちへの性暴力被害は深刻化する一方なのです。
警察庁の調べでは、強姦・強行わいせつの認知件数は、申告率を加えれば1日500人以上。
東京都では、1日13人の女性が強姦被害に遭っているという数字になります。

内閣府の調査では、パートナーがいる女性の4人に1人がDV被害に遭っています。
男女雇用均等室に寄せられる労働相談の内、毎年約2万件あるのですが、その約半数が未だセクシャルハラスメントに関する相談です。

最近の報道を皆さんご覧になったでしょうか。
岡崎市議会では、議員同士のセクハラが告発されましたが、何の対処もされていません。
そして八千代町長のあの事件。
町長が公衆の面前で女性の体を触っても強制わいせつとして起訴することができません。

私の国。
この日本は、女性に対する暴力に満ち溢れている国だ。
私はそう感じています。

女性の人権という視点から、日本の社会を見たとき、先進国の中でも著しく遅れている国です。
女性議員も少なすぎます。

もうこうなったら自分でやるしかない。

「私が国政にチャレンジをして変えてやる」
私は決意しました。
(拍手)

2016年の今でも、被害を受けた女性たちが、私にも悪いところがあったからって皆さん言うんです。

「私が夫を怒らせたから」
「上司からの誘いをきっぱりと断れなかった」
そうやって自分を責めています。

「あなたは悪くない」
という一言を言ってあげられる窓口は、ほんのわずかなんです。

日本はまだまだ、被害を受けた側が自分を責めざるを得ない社会です。
女性に対する暴力のことだけではありません。

今の日本の息苦しさ、生きづらさは、かつて経験したことがないと私は思っています。
様々な相談の背景にあるのは、貧困の問題です。
非正規職、シングル女性に向けた調査というものがありますが、非正規職についている理由は正社員として働ける会社がなかったからと回答したのが、61%。
しかも3割が年収150万未満でした。
年代が上がるほど年収は低下します。
シングルマザーの半数以上が貧困です。

こんな状況で「女性活躍」という政府は、あまりにも無責任ではないでしょうか。

労働相談でも今は学生からの相談が増えています。
私は労働組合の執行委員長をしていますが、学生たちが労働組合に相談に来る時代なんです。
ブラックバイトです。

その背景から見えてくるのも貧困なんです。

奨学金でやっと大学を出ても、平均で300万円ほどの借金を背負う。
そして非正規では返済もできない。
自己破産するしかない状況に追い込まれています。

ある学生が私に言いました。
「佐藤さん、こんなに苦しいのは大学に進学した罰だろうか」
そういったんです。
こんなこと許されるわけがない。

待機児童の問題。
放射能被害を避けようとする自主避難の方々への支援の打ち切り。
究極の暴力である戦争への道を拓く安保法制。
今の政府は市民を幸せにする責任を果たしていません。

かえって自己責任を押し付けて人々を苦しめています。
これは市民が政府からハラスメントを受けている、そういっても過言ではありません。

皆さん、アベハラをご存知でしょうか。
本当にアベハラという言葉があるように、安倍首相のハラスメントそのものだと私は思っています。

ハラスメントの解決といえば、私、佐藤かおりではないか。
そう思っています。
(拍手)

皆さん任せてください。

そして今日、本当に悲しい、恐ろしい事件がありました。
アメリカフロリダ州オーランドで同性愛者をターゲットにした大量殺害事件。
ヘイトクライムです。

日本でもヘイトスピーチに対してようやく制度が整いつつありますけれど、今の日本はとても暴力的な社会ではないでしょうか。

貧困、格差、暴力があふれています。
その中で、今の日本社会に求められているのは生きづらさを抱えさせられている人全てに寄り添う政策、支援する制度をつくっていくことなんです。

今、困難を抱えた多くの人が、かつての私のように社会から見放されていると感じています。

私は市民一人一人の声が、国を動かすことができると、もうすでに体験しています。
国を相手に裁判を起こすとき、前例がないと言われました。
制度の限界だと言われました。

でも、そこで歩みを止めてしまっては、何も変わらないんです。
前例がなければ、前例をつくればいいじゃないですか。

制度の限界だ、そういうならば、その制度こそ変えなければなりません。

私は支援者として、女性たち、若者たちの痛み、命の声を聞いてきました。

特に、若者たちの絶望は深いです。

18歳以上の選挙権導入という変化の中で、若者たちが希望を持てる社会にしなければならないと思っています。
具体的には、皆さんお手元のリーフレットの方にあげていますが、暴力の加害者をきちんと処罰できる社会をつくること。

男女、正規非正規雇用の賃金格差をなくすこと、最低賃金を最低でも1500円にすること、性的マイノリティなどの人権を確立すること、原発ゼロにすること、女性議員を増やすこと。

こうした政策を私は実現したいんです。

佐藤かおりの名前は、支援にかかわる仲間たちの中では、知られています。
でも国政では無名です。
けれども、私は国政にチャレンジすることに迷いはありませんでした。
困難を抱えた人たちの声に忠実に関わっていたら、もう国政にチャレンジするしかないんです。

私、佐藤かおりと一緒に一人一人の痛みを力に変え、誰もが自分らしく生きられる社会を、みなさん一緒につくっていきましょう。
(拍手)

痛みを力に
全ての人にやさしい社会へ
一緒に日本の舵を切りましょう。

「やめない」
「負けない」
「諦めない」

私、佐藤かおりを、皆さんどうぞ応援してください。